空室が埋まらない時に大家が見直すべきポイント
2026年9月3日
「募集を出しているのに、なかなか入居者が決まらない」——賃貸経営をしていると、こうした空室の悩みに直面することは少なくありません。空室期間が長引けば家賃収入が入らないだけでなく、ローンの返済や管理費・固定資産税の負担だけが続くことになります。この記事では、空室が埋まらないときに大家自身がチェックしておきたい見直しポイントを、実務目線で整理します。
まずは空室の原因を切り分ける
空室が埋まらない原因は、物件そのものの問題とは限りません。まずは次のような観点で、原因を切り分けて考えることが大切です。
- 家賃・条件が周辺相場と合っていないのではないか
- 物件の写真や広告の見せ方に問題はないか
- 仲介会社への情報提供や優先度が十分か
- 設備や室内の状態が入居希望者のニーズと合っていないか
- そもそもエリア自体の賃貸需要が縮小していないか
原因を一つに決めつけず、複数の可能性を並べて検討することで、的外れな対策を避けやすくなります。
家賃・条件面の見直し
周辺相場との比較
同じエリア・同程度の条件の物件の募集家賃を定期的にチェックし、自分の物件の家賃設定が相場から乖離していないかを確認しましょう。相場より高いままでは、他の物件に入居希望者が流れてしまいます。
初期費用のハードルを見直す
敷金・礼金・保証会社の利用料など、入居時の初期費用が周辺物件より高いと、比較検討の段階で候補から外れてしまうことがあります。フリーレント(一定期間の家賃を無料にする)などの施策も、繁忙期以外の空室対策として検討されることがあります。
募集活動・広告面の見直し
写真・掲載情報の質
物件情報サイトに掲載する写真が暗い、枚数が少ない、といった状態では、他の物件と比較された際に見劣りしてしまいます。室内を明るく撮影する、水回りや収納の写真も充実させるなど、情報量を増やすことは基本的かつ効果の出やすい対策です。
掲載している不動産ポータルサイトの見直し
掲載しているポータルサイトの種類や数によって、目に触れる入居希望者の層は変わります。掲載状況を管理会社に確認し、必要に応じて掲載先を増やす、上位表示のオプションを利用するといった相談をしてみましょう。
仲介会社への働きかけ
物件を紹介してもらう仲介会社(客付け会社)に対して、物件の特徴や強みが十分に伝わっているかも重要なポイントです。仲介会社向けの広告料(AD)の設定を見直すことで、優先的に紹介してもらいやすくなるケースもあります。
ターゲット層の見直し
築年数が経過した物件や、間取りが古いままの物件は、想定しているターゲット層のニーズと合わなくなっている可能性があります。単身者向けなのかファミリー向けなのか、学生向けなのか社会人向けなのかなど、ターゲット層を改めて見直し、それに合わせた設備投資(インターネット無料化、宅配ボックスの設置など)を検討することも一つの方法です。
繁忙期を見据えたスケジュール管理
賃貸業界には、新年度に向けた1〜3月の繁忙期があります。この時期に向けて、退去予定が分かった時点で早めにリフォーム・原状回復を済ませ、募集を開始できる状態にしておくことが、機会損失を防ぐうえで重要です。繁忙期を逃すと、次の需要期まで空室期間が長引いてしまうこともあります。
管理会社と一緒に見直す視点も持つ
これらの見直しは大家自身だけで進めるのではなく、管理会社と情報を共有しながら進めることでより効果的になります。管理会社が空室対策としてどのような提案をしてくれるかについては、空室対策として賃貸管理会社に期待できること で詳しく解説しています。また、空室が長期化する背景には、そもそもの管理体制が合っていないケースもあります。管理会社の変更を検討する場合の進め方は、管理会社の変更(リプレイス)の進め方と注意点 をご参照ください。
なお、空室対策の一つとして、家賃保証がついた「サブリース(一括借り上げ)」契約を検討する大家もいます。仕組みとメリット・注意点については、サブリース契約のメリットとトラブル回避の注意点 をご覧ください。
まとめ
空室が埋まらないときは、家賃・条件、広告の見せ方、仲介会社への働きかけ、ターゲット層の設定など、複数の視点から原因を切り分けて見直すことが大切です。一つの対策だけにこだわらず、管理会社とも連携しながら、繁忙期のスケジュールも意識して計画的に対策を進めていきましょう。